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NPO法人青少年自立援助センター/YSCグローバル・スクール/田中宝紀 (IKI TANAKA)

NPO法人青少年自立援助センター定住外国人子弟支援事業部統括コーディネーター/NPO法人多文化共生子ども・若者プラットフォーム理事長。 東京都福生市にて外国にルーツを持つ子どもと若者のための教育・自立就労支援を担当。7歳と3歳の2児を育てるフルタイムワーキングマザー。

ひとり親家庭率、フィリピン、タイルーツの子は日本人の2倍に。

前回のエントリー、

 

ikitanaka.hatenablog.com

 

で、外国籍母子家庭の経済的状況の厳しさについて触れました。

 

ではそもそも、外国籍ひとり親家庭にくらしている、外国にルーツを持つ子ども』はどのくらい日本に存在するのでしょうか?

 

その答えもまた、国勢調査オーダーメード集計を利用し外国人の方々について様々な数値をご提供くださっている岡山大学の高谷先生らの論文シリーズから見出すことができます。

 

【『2010年国勢調査にみる外国人の教育――外国人青少年の家庭背景・進学・結婚――』岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要第39号 (2015.3)】によると・・・

 

日本国籍のシングルマザー家庭に暮らす子ども ・・・195,732人

外国籍のシングルマザーと共に暮らしている子ども・・  30,412人

日本国籍のシングルファザーと暮らす子ども・・・・・123,600人

外国籍のシングルファザーと暮らしている子ども・・・  1,323人

でした。

*いずれも、55歳未満の母または父とともに暮らす20歳未満の子どもの数

 

 

<フィリピン、タイにルーツを持つ子どものひとり親家庭率高く・・・>

 

 

その割合を国籍別に見て行くと、日本人母を持つ子どものひとり親家庭率は5.5%ある一方、フィリピン人母を持つ子どものひとり親率が11.6%、続いてタイが11.3%と、日本人シングルマザーを持つお子さんの2倍以上。その他の国籍と比べても高いことがわかります。現場では、30%程度がひとり親家庭でした)

 

同1995年と2000年の国勢調査では、フィリピン人母子世帯率は2%未満だったそうですが、2005年の時点で9.6%まで跳ね上がり、2010年の調査では11.6%へ。フィリピンにルーツを持つお子さんのひとり親家庭率は右肩上がりであることがわかります。

 

 

 

父子家庭率は母子家庭率より高くはないものの、日本人父を持つ父子家庭の子どものひとり親家庭率が0.6%であるのに比べれば、フィリピン、タイ、ベトナム、ペルーなどは若干高くなっています。

 

 

<ひとり親の困難に言葉の壁が・・・>


外国人ひとり親家庭の困難は、日本語の壁のからあらゆる側面で情報弱者に陥りやすいことが、一般的なひとり親家庭が抱えやすい困難に積み重なって襲いかかることだと言えます。また、日本語ができないために就労にハンディを負いやすい事も、苦しい状況を深める要因となっています。

 

再三の繰り返しとなりますが、フィリピンやタイのお母さんを持つ外国にルーツを持つ子ども達は、その父親が日本人男性であることが多く、子どもは日本国籍を持っている日本人の子ども達です。

 

「勝手に日本に来たのだから関係ない」

「日本語がわからないのなら、帰ればいい」
「日本人の税金使ってまで教育する必要ない」

 

など、外国にルーツを持つ子ども達への支援に対して厳しい言葉を投げかける方々も、残念ながらまだまだおられる現状ですが、そこには日本人男性との間に生まれた日本国籍を持つ子ども達が多数含まれていることは最低限、お伝えしたいと思います。(外国人の方々も当然税金は納めている、という基本的なことも)

 

もちろん、国籍やルーツ、言語やその他の状況に関わらず、日本の国内にくらす全ての子ども達がこうした心ない言動から心身ともに守られ、自らに誇りを持ち、健やかに暮らせる社会でなくてはならないことは言うまでもありません。

 

そんな理想的な社会の実現を目指しながら、今、目の前にいる子ども達1人1人へ手を伸ばしていきたいと思っています。