【よくある質問:その3】外国にルーツを持つ子どもたちは、主にどの国から来ていますか?
【Q】外国にルーツを持つ子どもたちは、どの国から来ていますか?
【A】主に、中国、ブラジル、韓国、フィリピンやペルー国籍の子どもたちが多くいますが、地域によって少し異なります。
ダントツトップは中国
下の図は、2016年末時点で日本国内に暮らしている0才から18才の外国籍の子どもたちを、出身国別にあらわしたものです。
ダントツトップが中国(33%)、次いでブラジル(15%)、韓国(13%)、その他(13%)にフィリピン(11%)となっています。
(上記グラフには「外国籍を持つ子ども」しか含まれておらず、日本国籍を持つ外国ルーツの子どもたちはカウントされていないことに注意)
人数にすると、中国 86,000人/ブラジル 39,000人/韓国 33,000人/フィリピン 30,000人であり、ペルーとベトナムが10,000人台、それに次ぐネパール以下は7,000人未満が続きます。
地域によってやや異なる状況
全体的に見ると、このようなランキングになるのですが、地域によっては(日系)ブラジル人が最も多いというエリアも少なくありません。外国人が多く暮らす自治体で構成される「外国人集住都市会議」の22の参画都市では、ブラジル人が外国人住民の中で最も多いという地域が19都市を占めています。
文科省が発表している『「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成28年度)」の結果について』には、日本語の力が十分でない外国籍の子どもについて、母語別の割合データが公開されています。
(文科省『「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成28年度)」の結果について』より、筆者作成)
こちらのグラフを見ると、子どもたちの出身国ランキングとは異なった結果を見ることができます。
たとえば、出身国別ではダントツ1位であった中国国籍を持つ子どもは、「日本語指導が必要な外国人子ども」の枠組みでは2位となっていて、1位ばポルトガル語を母語とする、ブラジル国籍の子どもたちです。
余談ですが、これにはいくつかの要因が考えられ、その1つにはポルトガル語母語のブラジル人が多く暮らすのは、前述の「外国人集住都市会議」参画自治体のように、ある程度「外国人の子どもの教育に熱心な自治体」が多く、日本語の支援を必要とする子どもを発見しやすい仕組みや支援制度が整っているから、という自治体間格差が影響している可能性があります。
属性やバックグラウンドに関わらず、のびのびと育ってほしい
さて。
外国にルーツを持つ子どもたちは、外国人であるということ、あるいは「ハーフ」「ダブル」であるということで、自動的に「英語がペラペラ」という偏見を持って見られることが少なくないのですが、中国、ブラジル、韓国と、半数以上の割合を占める子どもたちの多くが英語圏以外の国の出身です。
また、日本で生まれ育ったり、出身国での教育環境などによっては、英語圏にルーツを持っていても、必ずしも「=英語ができる」ということではありません。(その逆もしかり)
いずれにせよ「○○人だから○○」という偏見や決めつけや一方的な押し付けは、成長期の子どもたちにとっては負担や苦しみとなることもあります。
外国ルーツの子どもたちも含めて、日本で育つ日本の子どもたちが、属性やバックグラウンドにかかわらず、個人として尊重される社会を目指していけたらいいな、と思います。
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